40歳独身の娘と両親の3人暮らしの物語
初版が2014年ですが、出版年関係なしに楽しめる一冊です。
普通の漫画のように、難しいコマ割りがありません。四コマ漫画の体裁で14コマくらいでひとつの話が終わります。
↓ご覧の通りゆるっとしたイラストで余白が多くて読みやすいです。マンガは読まないよというマンガ初心者の方も読みやすいと思います。

週刊文春で連載されている漫画なので、読者層も沢村さん家と同年代でしょうか
登場人物
タイトルの通り、平均年令60歳の3人家族のお話です。
3人それぞれの視点で物語が進行する、全員が主人公です。
沢村さん家のこんな毎日 平均年令60歳 家族紹介父 沢村四朗(70)サラリーマンを定年退職。趣味は読書。時代物が好き。若い頃はスキーやボウリングなども。
母 沢村典江(69)料理上手。動物好き。編み物は最近目が疲れる。こしあんより、つぶあん派。
娘 沢村ヒトミ(40)会社員。独身。彼氏いない期間も長くなり…。デパ地下好き。ちょっぴり勝気。
ヒトミさん
会社員として働きながら、年老いていく両親と穏やかに暮らしているけど、ふとした瞬間に先を思って感傷的になったりする
娘のヒトミさんは、会社勤めの独身女性です。一人暮らしはしておらず、実家で両親と共に暮らしています。
ヒトミさんと同期の40代独身女子会
何度か登場する女子会。同期のサトミちゃんのセリフです
「誕生日に病院行ったらさ カルテの年令がちゃんと40歳になってたのよ
自動的に変わっただけのことなんだけど 「バレてるよ」って言われてるみたいで さみしかったのよね
沢村さん家のこんな毎日平均年令60歳

なんだか妙に心に残りました 笑
その後、「誕生日に病院予約ってどうなの?」とつっこまれてお祝いをし直すところまでが、益田ミリさんの味です 笑
他にも、バレンタインデーの話で
「身近にいるのに気づいていないだけ」なんて幻想だよ
まさにファンタジー
職場をぐるーっと見まわしてみても もはやなんてゆーか
男の人たちが風景にみえる
沢村さん家のこんな毎日平均年令60歳
友人のさわ子ちゃん 『すーちゃん』とシェアード・ユニバース
『すーちゃん』とシェアード・ユニバース(同じ世界線の物語)
益田ミリさんの別作品に『すーちゃん』シリーズがあります。

別の独身女性であるすーちゃんの物語です。
すーちゃんの友達として出てくるさわ子さんが、ヒトミさんの友人として登場します。

益田ミリさんの作品は、異なるシリーズの登場人物がちらっと出てきたりするので、ぜひ他の作品も読んでみてほしいです。
典江さん(お母さん)
夫の四朗さんとはたまにケンカもするけど良好な関係。ランチを食べたりお茶をする友だちもいる。
お母さんは、40歳で独身実家住まいのヒトミに対して
自分の娘が40歳になったなんてねぇ
しかも、独身
などとからかう場面がよく登場します。
一方で、いくつになってもヒトミさんを子ども扱いしているシーンも多くあります。

娘に結婚してほしい気持ちと、このまま3人で暮らしたいという複雑な気持ちがあるようです
夫の四朗さんとも関係は良好で、
ご近所の奥さん方と喫茶店でお茶をしたり、旦那さんに内緒で5000円のランチに行ったりしています。

ふと、感傷的になるシーンはあるものの、基本は穏やかな優しいお母さんです。他愛のないことで四朗さんとケンカしてプリプリするのもかわいいです。
四朗さん
ジム通いをはじめたり、自分史を作ろうとしたりアクティブなお父さん
妻の典江さんに夫婦の加入している保険のことを聞きたいけど、聞いたら自分の方が長生きすると思っていると思われそうで、なかなか聞けない
というシーンから

遺影の準備をしたり、加入している保険のことを気にしたり現実的で真面目なお父さんです。
おすすめな理由
自分の両親や、自身のこれからついて想いを馳せる
私は娘のヒトミさんと年令が近いものの、20代で実家を離れています。両親は健在ですが典江さんと四朗さんほど仲が良好でもないので、自分と重なる部分は多くはありません。
それでも読んでいて心が動かされるシーンがたくさんあります。
例えば、孫がいない四朗さんが公園で知らない子どもから「じーじ」と呼ばれるシーン。
四朗さんは、孫から「じーじ」と呼ばれる可能性について悲観するのではなく自身の両親を思い出します。

孫がいない=悲観と決めつけて読んでいた自分の考えの浅さに気づきました…。
私がハッとさせられたシーンがもうひとつあります。
典江さんが夕飯の買い物へ歩いていた時にバッタリとご近所のお友達に会います。
お母さんは、そっとかみしめていました
こんなふうにバッタリ道で会っておしゃべりできる人がいる幸せ
わたしには、「ここではないどこか」なんていらないわ〜
沢村さん家のこんな毎日平均年令60歳

両親に対して時間もたくさんあるから「もっと旅行とか行けばいいのに」ともっと人生を謳歌してほしいなどと勝手に思っていました。でもその年代にしかわからない幸せな在り方ってあるよなと、気づけました。
母にも読んでもらって感想を聞いてみたいなと感じました。