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『くらべて、けみして校閲部の九重さん』校閲部のお仕事がマンガでよくわかる!本がもっと好きになる1冊です!

読書ログ

私は本を読むのが好きです。

本の内容そのものは当然ながら表紙のデザインや、文字の大きさやフォントデザイン,紙質…本にまつわるいろいろな所に愛着を感じます。

2016年に日本テレビで放送された石原さとみさん主演のドラマ『校閲ガール』で校閲という職業について初めて知りました。

作家以外の本を作る側の事をそれまで考えた事が無かったので、ドラマをきっかけに校閲やフォントデザイナーなど裏方の仕事を知ることも好きになりました。

そして図書館で久々に出会った校閲についてのマンガ本があったので嬉々として手に取りました!校閲というお仕事について知りたい方にもおすすめの本です。

読めば本に対してもっと愛着が湧いてくる、そんな1冊です!

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こいしゆうか『くらべて、けみして 校閲部の九重さん』

百年後に残す本を一冊作っていくという意志

  • 新潮社校閲部が協力!
  • マンガで校閲部の仕事を知れる
  • 実際の作家や著作が登場!

こちらの本は、新潮社の『小説新潮』で連載されていたマンガをまとめた本となっています。新潮社の校閲部が全面協力している本です。新潮社の校閲部の方のコメントも入っていて読み応えがあります!

新頂社の校閲部文芸班で働く社歴10年の九重さん(35)と、文芸部の編集志望だったものの校閲部に配属された新入社員の瑞垣さんを中心に物語は進みます。

文章の整合性を確かめる門番

校閲と聞くと、真っ先に浮かぶのが誤字脱字のチェックだと思います。

しかし、校閲というのは誤字脱字だけでなく、たとえフィクションであっても天気や月の形などが事実と反していないかを確かめることも含まれます。(事実確認

マンガの中でこのようなシーンがあります。

あれは一年前の8月30日ー

見上げると満月の夜だった。

こいしゆうか『くらべて、けみして 校閲部の九重さん』

校閲部の九重さんはこの小説の別のシーンから8月30日が2020年であるとわかり、2020年の8月30日は満月ではないがそれでもいいか?という指摘をします。

他にも登場人物の性格や特徴や年齢に時系列など設定に矛盾がないかなどにも目を光らせています。

校閲という言葉の意味

くらべて、けみして

校閲の「校」は「校べる」と読んで照合して誤りを正すという意味

そして「閲」は「閲する」と読んで調べたり確かめるという意味

こいしゆうか『くらべて、けみして 校閲部の九重さん』

誤りを正すだけではなく、例えば引用した分の初出(原書)を調べたり、歴史小説の為に古地図を探したりと気の遠くなるような地道な作業が1冊ずつの本を支えているのが伝わってきました。

電子書籍ならすぐ文字を訂正できますが、紙で出版される本は訂正ができるのは増刷がかかるときなので、初版だけの場合には訂正することができません。

漢字があっているのかを確かめる最大級の漢和辞典!

本を選ぶ人

マンガの中で、町田康さんの小説がでてきます。その中に出てきた漢字の読み方を確かめるために登場するのが大漢和辞典です。

大漢和辞典とは?
  • 全15巻
  • 親字5万語
  • 熟語53万語
  • 索引だけで2巻分

しかし、この漢字辞典に掲載されていなかったからと言って、その表現が間違っているわけではないとベテランの校閲者から諭されます。

何らかの意図があって著者はその表現をえらんでいるのかもしれないし

こいしゆうか『くらべて、けみして 校閲部の九重さん』

過去に同じ表現を好んだ著者がいる可能性もあるから

こいしゆうか『くらべて、けみして 校閲部の九重さん』

漢和辞典に乗っていない用法をしているからといって、それを誤字だと指摘することはせず、過去の文豪たちが好んで使っていた用例を知っていてあえて用いている可能性も視野に入れて調べるのです。

AIだと、漢和辞典に載っているかという所で指摘することはできるかもしれませんが、過去の文豪が好んで使っていた漢字の用例までは校閲できないのではないでしょうか。職人技です!

誰もが発信者になれる時代だからこそ校閲の存在が生きる

時代小説だと歴史考証、推理小説だと科学的・物理的な理論が破綻していないかなども苦心して出版されていると容易に想像できます。

一方で漫画の中には、登山が好きな部員が山関係の本を任されていたり、宝塚ファンの部員は関連本を任されたりするという描写がありました。自分の好きな分野はもっと深堀してそれが仕事にも生きるなんてうらやましい!と思いました。

マンガでは、九重さんが「うちの会社は校閲に力を入れているのよ。他の出版社では校閲部がないことも珍しくないわ」と言っています。校閲部がある出版社とない出版社では本の質も変わるだろうし、作家も安心して書けることでしょう。

こちらの対談記事も面白いのでぜひ読んでみてください。作家の方々が校閲部にコメントを寄せています。(新潮社 くらべてけみして 紹介ページ

続編もでています。

↓辞書編集部の物語。映画化もされて、2025年NHKにて池田エライザさんでドラマ化されています。

映画版の右左をどうやって説明するか、というエピソードがすきです!松田龍平さん演じる馬締さんがすこし考えてすぐに説明するところが大好き!

「くらべてけみして」を読んですぐに連想したのは「舟を編む」でした。

続編をまだ読めていないので、読んだらまたレビューします。

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