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益田ミリ『世界は終わらない』すーちゃんシリーズスピンオフ

読書

書店員の土田くんが主人公の物語

本を選ぶ人

書店員の土田新二・32歳は、後輩から「出世したところで給料、変わんないッスよ」と突っ込まれながらも、今日もコツコツ働く。どうやったら絵本コーナーが充実するかな? 無人島に持って行く一冊って? 1Kの自宅と職場を満員電車で行き来しながら、仕事、結婚、将来、一回きりの人生の幸せについて考えを巡らせる。ベストセラー四コマ漫画。

幻冬舎HP 作品紹介より

2012年に講談社より出版された『オレの宇宙はまだまだ遠い』を改題し、2015年に幻冬舎文庫として『世界は終わらない』が出版されました。

内容は同じなのでご注意ください

登場する他シリーズの人物

『すーちゃん』が働いていたカフェの隣の書店に勤務する土田さんが主人公ですが、他シリーズのキャラクターが登場しています。

  • 益田ミリ
  • 『すーちゃん』すーちゃん
  • 『すーちゃん』まいちゃん
  • 『泣き虫チエ子さん』チエ子さん

益田ミリさんが本人役で登場しています。

心に残ったエピソード

土田さんよりも、登場する女性に共感することが多かったです。

誰かより幸せだったらマシ? by土田

書店の後輩との会話から、「○○よりはマシ」と他の誰かと比べるそういう生き方は違うんだよなと土田さんは考えます。

毎日同じ部屋に帰って、仕事終わりに買った半額弁当をたべる。そんな生活の中で土田くんはたびたび自身の人生の意味について考えるのです

運命とかじゃなくていい byサキ

恋をして、どんどん好きになって

ちょっとイヤなとこ見えはじめて

ケンカして仲直りして

互いに少しずつ慣れていって

情がわいてくる

時間がかかる

『世界は終わらない』より

土田さんは、後輩くんがセッティングしてくれた2対2の合コンで出版社の経理で働くサキと本の話で盛り上がります。しかし、解散後2人になったところで、サキは結婚を控えており、今日はピンチヒッターで参加したことを告げられて土田さんは撃沈します。

そしてサキの心の中のセリフがつづきます。

恋って時間がかかるんですよね…。わかる!一通りの手順を踏むのがもう面倒だと思ったことがある女性は結構いるのではないでしょうか?

世界には、自分にもっと合う人がいるのかもしれないけれど、運命ではなくて自分が良いと思った人でいいと思えるサキにはもう迷いがなくていいなと思いました。

土田さんの人となり

書店員歴10年、彼女いない歴6年 32歳影の薄いほう

『すーちゃん』シリーズでは、すーちゃんの働くカフェの隣の書店員として、たまにカフェ客で登場していた土田さん。

土田さんもすーちゃんも互いに好感をもっていました。

しかし、私は『すーちゃん』シリーズの中での土田さんが好きになれませんでした。いい人なんだろうけど、ズルい人という印象でした。(『すーちゃんの恋』 『わたしを支えるもの すーちゃんの人生』

そしてこの『世界は終わらない』での土田さんは、やっぱりいい人なのでした。人生の意味とか悩みながらも、お金のためでなく純粋に良いと思ったことを行動に移せる人なんです。お客さんに対しても、家族に対しても…。

完全に真っ白に純粋で正しい人はいなくて、どの面からその人にスポットライトを当てるかで、見え方が変わってきます。

すーちゃんとの関係では、土田さんの影が見えてしまうけれど、この本ではただいい人。

人間ってそうなんだよなぁ…。

16冊の本が出てくる

本棚

書店員の本らしく、たくさんの本が登場します。マンガ、絵本、ガイドブック、新旧洋邦いろいろ登場して、巻末に登場作品の紹介もあります。

黒柳徹子さんの窓際のトットちゃんを読んでみたくなりました!

ネタバレを含む感想

『すーちゃん』シリーズのネタバレも含まれているのでご注意ください。

彼女いない歴6年の書店員土田さん。

後輩から「出世したところで給料、変わんないっすよ」と言われながらも、他店の良さを取り入れるために見に行ったり、児童書コーナーに子供が座れるようにベンチを置こうと店長にかけあったり日々奮闘しています。

子どもの頃読んだ絵本は忘れてしまっていたとしても、どこかには残っていて大人になった自分を、助けてくれているかもしれない

子どもたちが書店で絵本に出会うきっかけづくりの大切さを後輩に説くのでした。

売り場のこと、テーマを設けた書店のフェアに合わせた本の選定、書店にやってくるお客さんとの交流なども描かれます。

他店に行っても帯の乱れを思わず直してしまう土田さんは根っからの書店員なのですね。

ある日、彼女がいない土田さんの為に後輩君が飲み会を開きます。

そこでヤヨイちゃんという女性に出会います。当初いいなぁと思っていた女性ではなかったけれど、自分のことを良いと思ってくれているからいい子といってデートします。

『すーちゃん』を読んできた私にとっては、『世界は終わらない』を読む前はアンチ土田さんでした(笑)

この本を読んだ今、ちょっと複雑な気持ちになっています。

好きな人ではなくて、好きになってくれた人と付き合うのも良いと思うんです。

でも、土田さんは、すーちゃんと上手くいって欲しかったなぁというのが超個人的意見です(笑)

互いに良いと思っていても恋愛はうまくいかない、やっぱりタイミングが大切なんですよね。

単なるハッピーエンドで終わらないところが、また益田ミリさんの作品だなと思うのでした。

嫌な人だったら嫌いになれたのですが、土田さん、良い人なんですよ…。お金にならなくても、亡くなった孫のためにマンガを買いに来るお客さんにお花を買って渡したりするんです。その方の家にまで本を届けたりして。

すーちゃんとは結ばれなかったけど、よそ見しないでヤヨイちゃんと末永くお幸せに!

益田ミリさんのマンガ紹介

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