ゲーム世界とあなどれない!研究者が本気で書いた生態図鑑です!
発売されることを知ってから、とっても楽しみにしていた1冊です!
何がすごいって、本気度がすごいんです!執筆者とイラストを担当しているお二人は、東京大学院農学生命科学研究科を修了している本物の博士なのです!


現実世界の生物を調べる時の視点をポケモン世界に当てはめてポケモンの生態を分析、紹介しています。
だんだん、ポケモンってホントにこの世界にいるのでは…?と勘違いしそうなレベルです!
本に登場するポケモン
すべてのポケモンが登場するわけではありません。
巻末にある、”この本に登場するポケモン”には、661のポケモンが載っています。(数えました)
ポケモンが網羅されている図鑑なら、こちらがおすすめです。

ポケモン大図鑑見ながら、ポケモンしりとりするのが好き!
POKECOLOGY=ポケモン生態学

POKEMON(ポケモン)+ECOLOGY(エコロジー)=POKECOLOGY
表紙のタイトル下にPOKECOLOGYと表記があります。
ポケモン生態学という造語だと思われます。ポケモンを学問にまで昇華したい!との意気込みさえ感じられます。
ポケモン世界の大学では専攻としてありそうですね!
Ecology
生物とその生息環境との相互作用に関する科学のことである。生物の個体、集団、種間の関係や、生物と非生物的環境要素との関わりを研究する。生態学は生物の分布、適応、進化などの理解に役立ち、環境保護や持続可能な開発にも貢献している。
weblio辞書
ポケモンの生態にフォーカスした図鑑

ポケモン世界をもっと深く知る!
今までの図鑑は、ポケモンのキャラクターが載っていて、体重や体長、タイプや特長が載っているものが主だったと思います。
しかし、今までの図鑑と圧倒的に異なるのは、生態に重きを置いているという点です。
生態
自然界において生き物が生活している状態や様相」「生活そのものの姿」
単なるキャラクター紹介ではなく、
”そのポケモンがどのような環境下で、他のポケモンとどのように関わり合って生活しているのか”
という点を知ることができるのです!

ポケモン図鑑に掲載されていた個別の情報を拾い上げて繋げて、ポケモンの生態系を浮き彫りにしています
この本でわかること

ポケモン生態図鑑は、4章で構成されています。それぞれの章がどんな内容なのか簡単にご紹介します。
1章 ポケモンのすがたや形
こちらの章では、オスとメスの姿の違いや、環境によって異なる姿などを紹介しています!ぱっと見同じに見えるポケモンでも、ツノの大きさが少し違っていたりします。
メスだけが進化するポケモンや、環境や、条件によって進化する姿が異なるポケモンなど、多様なポケモンが紹介されています!
進化の条件が特殊なポケモンって結構いるんだ!という気づきとともに、私たちの生きる世界と同じように複雑な生態系なんだなぁと感心しました!

アローラのすがた、ガラルの姿、パルデアの姿とかね!
イーブイも8種類の進化の姿がある!

ビビヨンは住んでる場所で柄が全然ちがうんだよね!
2章 ポケモンの生活
えさを取る、と一口にいっても
待ち伏せ、探し回る、吸収する…などなど様々なタイプで分類しています。えさを取る工夫についてもイラストで示していていて
例えばメッソンについては以下の通り
メッソン
口から噴き出す水の弾で木の実を撃ち落として食べる。狙いは百発百中だ。
ポケモン生態図鑑

現実世界でも、水鉄砲のように餌をとるテッポウウオという生き物がいます
。
ポケモンをデザインする時には、実際の生き物を参考にしたのでしょうか。
3章 ポケモン同士の関わり
こちらの章もとても興味深いことばかり!
共生関係にあるポケモン(互いに利益がある関係)の紹介もありますが、その反対の関係もあります。
他のポケモンを利用する
他のポケモンが持つ能力を使って、自分にはない能力を補うことで生きているポケモンがいる。それは「協力」とはまったくちがった「能力の一方的な利用」ともいえる
ポケモン生態図鑑

こうやって文章にするとドキッとしますね…
単なるゲーム世界のキャラクターという捉え方では足らないほど、ポケモン世界は緻密に構成されていて、だからこそこの生態図鑑が成立しているのだと感じました。
4章 ポケモンの移動能力
ここでは、泳ぐ速さ、飛ぶ速さの比較や、ポケモンの翼や羽の比較、体の仕組みなどを紹介しています。
執筆を担当した米原善成さんは、専門が海鳥の飛行メカニズム、行動生態学です。巻末の紹介によれば動物に記録計をつけて行動を計測するバイオロギングという手法をつかって研究をしていた方です。

米原さんは、2019年に株式会社ポケモンへ入社しています。
この方を採用したという事実がポケモンの本気を物語っていますね。
ポケモン生態図鑑はゲーム世界を超えた1冊

架空の世界だけれど、まるで実際にある世界のように作りこまれた世界観があるお話といえば、ハリーポッターです。魔法生物図鑑や魔法界名所大図鑑なんて本も出版されています。
ポケモン図鑑は、これまでもポケモン大図鑑としてキャラクター紹介をしたものがありました。
そのポケモン図鑑にあった説明文は7500を超えていて、その1つ1つを読み解いてこのポケモン生態図鑑を完成させたそうです。

執念を感じますね!
この本を読むと、よりポケモン世界を深く楽しめますし、現実世界の動物や昆虫といった生き物との共通点を見いだして、さらに興味が湧くかもしれません♬


小学生の子どもと実際に読んだり使ったりしたものを紹介しています!
