私は独学で保育士の資格をとりました。
短期で詰め込み、無事に資格はとることができました。けれども学校で資格を取った方と違って実習などもしていません。
学校でしっかりと勉強をして資格を取った方と同じ資格とは言えない気もしています。
未経験で飛び込む勇気もない…。
広報で知った自治体の保育士就職サポート研修に申し込んで受講してきました!
日程と内容は?
自治体主催の研修は、2日間にわたって行われました。1年度で2回開催されていて、私は2回目の方に申し込みをしました。
参加者の人数と、年齢層は?

ちなみに、受講要領に記載されていた参加可能人数は30名でしたが、実際には10名ほどしか来ていませんでした。
そのうちの3割ほどが保育士として働いた経験があるけれど、ブランクがある方で、残りは私の様に独学で資格をとったけれど保育士未経験の方でした。
年齢については、50代、60代の方が多くて、私を含めた3名ほどが20、30代でした。みなさん全員が女性の方でした。
こんな方が参加していました

みなさんとの話を聞くのもとても勉強になりました。
20代女性/育休中。学生の時に資格を取得したが、別業界に就職。
60代女性/元教員。今は療育施設で働いている。昨年資格を取ったばかり。
50代女性/資格を取ったばっかり。会社勤めを長年している。
50代女性/子どもが中高生。20代の頃保育士として勤務経験あり。
50代女性/学生時代に資格取得。OLをしていたが、孫ができたのをきっかけに参加を決意
講義日程と講義内容

| 1日目 | 午前、午後合わせて6時間ほど講義。希望者にむけてハローワークとの面談など就職サポートあり。 |
| 2日目 | 午前のみ。割り当てられた保育園において見学。質疑応答して解散。 |
1日目の講義は4コマありました。
| ①子どもの健康 | 子どもの健康観察、検温方法、調乳、発熱、感染症対策、事故予防、受診や救急車要請事例など |
| ②危機管理 | 子どもの重大事故の統計、安全チェックリスト、戸外の事故、避難訓練、リスクマネジメントなど |
| ③自治体の保育行政の動向 | 保育制度、保育園利用状況、こども誰でも通園制度、自治体の保育士になるメリット、会計年度任用職員の紹介、給与体系、選考方法などの紹介 |
| ④保育士指針 | 子どもの人権について条例の確認、全国保育士会”人権擁護のためのセルフチェックリスト”の紹介 |
聞けて良かったこと

1コマ目の”子どもの健康”の講師の方は、現役の公立保育園の保健師の方でした。1時間ほどの間で駆け足ではありましたが、要点をかいつまんでお話してくれていました。
危機管理については、園長経験者の方が講師でした。自治体の動向については、役所から担当課長の方がお話してくれました。

家庭でも役立つ知識が多くてとてもよかったです!
腋下検温について
脇の汗を拭き、体温計の先を下から上に30°~45°に差し込む。
これは保育士試験のテキストでも読んだ覚えがありましたが、改めて勉強になりました。
講師の方が「服の上から、体温計を差し込むのではなくて、服の下から差し込みます」
と言っているのを聞いて

すっかり忘れていた!!
と内心焦りました。脇の汗が残っていると、実際より低く検温されてしまうため、しっかり汗を拭くのも大切とのことで、これも改めて勉強になりました。
冷凍母乳の取り扱いについて

こちらもすっかりと記憶から抜け落ちていました…。
母乳は血液から作られるので、血液と同じ扱いを行い、十分な注意が必要。
他にも、熱湯やレンジで解凍するのではなくて、流水で解凍して、湯せんで飲みやすい温度にするなど注意事項がありました。
子どもの健康観察について
朝、お子さんを迎え入れる時に、いつもと違う様子はないか?というところで目を光らせているそうです。
「ちょっと熱がでそうな雰囲気あるかな」など感じた際には、こまめに検温して様子をみるなどしているそうです。

ここまで子どもたちの変化に気付くのは、短時間勤務の保育士として働く場合には難しさも感じました。
お迎え要請、受診、救急搬送
保育園では、既往歴なども細かく把握していて、講義では特に熱性けいれんについてお話がありました。
熱性けいれんが起こった際には、けいれんの時間を測ったり、意識や呼吸についての確認についての話もありました。

自分の状況を言語化できない年齢のお子さんの場合もあるので、保育士の仕事の大変さ、大切さなどシビアに考えた講義内容でした。
食事介助の注意
子どもが眠くなっていないか、とか子どもの意志にあったタイミングで、といったことの他に
保育者は子どもが食事中に上から話しかけない
というのがありました。
子どもが上を向いて喉に食べ物をつまらせるなどの危険性があるためということでした。

こういったことは、自分ではきづけない注意点だったので、お話を聞けてよかったと思いました!
就業相談について

希望者は事前に個人情報をハローワークに提供することに同意していたので、その場で自分の住所の近くの保育園の求人票などをもらったりしました。
私は家庭の都合ですぐに切り上げて帰宅したのですが、その場で申し込むこともできたようです。
保育見学について

保育見学の場所は、1日目の最後まで場所は明らかにされませんでした。(安全管理上の問題があるからかもしれません)
私が行くことになったのは自宅から1時間ほどかかる場所でした。当日の朝は平日だったので、子どもたちを学校に送り出してから急いで電車で向かいました。
久しぶりの満員の通勤電車にもみくちゃにされながらもようやく到着。
住宅街にある公立保育園でした。
時が止まった?かの様なふるい園舎
私自身、子どもの頃保育園児だったのですが、そこにタイムトリップしたかのような懐かしい雰囲気でした。古い園舎、使い古されたお人形たち…。本当に令和なのかな、と思うほどでした。
それでも、大切に使い続けていることがよくわかりました。古いけれど隅々まで清潔にされていて、ほころびは職員の手によってちゃんと手がかけられているのが伝わってくる施設でした。
手作りのお人形の服やおもちゃがたくさん

2歳児さんはお外にでているということで、2歳児さんのお部屋にお邪魔しました。目に飛び込んできたのは並べられたぽぽちゃんのような女の子のお人形。パンクロッカーのように?お人形の髪の毛が逆立っていて、愛用されてきたのが伝わります。

同時に、映画トイストーリーが頭をよぎりました (笑)
人形たちが着ている服は先生のお手製でした。園長先生が引き出しから出してみせてくれたのは、たくさんの着せ替え用の服でした。他にもかわいいちいさなリュックや、おままごとで使うフェルトの食べ物などなど…。園児さんが履けるスカートなんかもあって、男の子が履くこともありますよ、と教えていただきました。

そういう気持ちも否定せず、気持ちのまま自由に受け入れているのが時代を感じました!
安全への配慮

廊下に荷物をかけるフックが並んでいるのですが、通常の向きとは違う方向に取り付けられていました。(J形のフックを寝かせるようにして取付)
一般的な取付方向で設置されていたフックと子どもが接触した事故があったそうで(この園ではなく)その対策として順次施工しているとのことでした。

一見、安全を害するように見えないものでも子どもにとってはケガのリスクがあるんだなと思いました。
ヒヤリハット報告集

実際にケガに至らなかったケースでも、具体的な内容(ケガやアレルギー、伝達ミスなどのトラブル)と、発生時の状況、教訓やアドバイスなどが書き込めるプリントに書き込んで、全職員で共有しているそうです。
私が大ハマりしたドラマ「アンメット」では、看護師長の吉瀬美智子さん演じる津端さんが、医療過誤を防ぐために”スイスチーズモデル”について話すシーンがありました。
スイスチーズはイラストよく描かれるネズミが食べるような穴の開いたチーズです。穴(ミス)がいくつか重なって貫通してしまうことで事故が発生するというものです。穴が貫通(事故の発生)するのを防ぐために、は幾重もの壁(安全策)を設ける必要がある、というものでした。

1件の重大な事故の裏には、300件のヒヤリハットがある、というハインリッヒの法則に基づいてヒヤリハット報告書を作成しているのですね。
どんなに気を付けていても、ヒューマンエラーというのは起きてしまう、というのを前提にして、たくさんの安全策がとられているのだと身に染みました。
質疑応答集

お住まいの自治体の保育園とは状況とは回答がことなるものもあるかと思いますが、参考になるかと思います
・60代女性の質問…若い先生が自分に指導するのは気を遣わせてしまいそうで心配
→公立保育園は幅広い年代の方が働いている。人生経験も生きてくるとおもうので、ぜひ働いてほしい
・女性の多い職場だが、人間関係のトラブルなど実際のところはどうか?
→職員数も多いので、気が合わない人もいるとは思う。正職員に関しては定期異動があるので流動的な面はある。
・正規職員の朝番(朝7時半出勤)は家庭事情で難しい人もいるのでは?
→お子さんが9歳までは時短出勤も可能。非常勤職員も含めて対応している。
・制作物の持ち帰りなどはあるか
→持ち帰りがないように、手が空いている人で協力している。
・車通勤でもいいのか
→保育園の近くで月極駐車場を自分で借りて通勤もOK。駐車場代は通勤手当としては支払われない。

感想は、とにかく”かわいい!”とみなさんおっしゃっていました。
参加して本当に本当によかった

申し込みをするのもとても迷いましたし、申し込んでからも行きたくない気持ちがありました。(主催も方には申し訳ないですが…)
でも、実際に参加してみて行って良かったと心から思っています。私の住む自治体では、公立保育園の統廃合が進んでいること、けれど全体としての保育所の数は増加傾向であること、幼稚園は減少傾向だであること、などなど、数字でみても共働き世帯の増加を改めて感じました。
私はいろいろあって専業主婦なのですが、短い時間でも近くの公立保育園で働きたいと思いました。
また、受講者の方たち(多くは人生の先輩)と話ができたのもよかったです。
帰りのバスで、私が未経験の業界に飛び込むのは勇気が要りますよねと話した所、
「あのね、もし合わなかったらやめちゃえばいいの。だれかに申し訳ないとか思わなくて大丈夫。でもね、もし挑戦するなら早い方がいいわよ」
と答えてくださいました。

この方は、もともと関東に住んでいたそうですが、旦那さんの実家の近くに住むため引っ越してきたんだそうです。
今までは企業で働いていたけれど、お孫さんが生まれたことで昔の資格を生かしてみようと思ったんだそうです。
20代の頃は、保育士なんて大変そう!とか、結婚もしておらず子どももいない自分にはできない、と思っていたそうです。
最後に講師の方が言っていたのは、
『今はほんとうに人材不足なので、どうぞお力をお貸しください』ということでした。

講師の方が、試験だけ合格しだたけなので不安という受講生に対して「私は学校卒業と同時に資格を取ったので、自分で試験を受けられたみなさんを心から尊敬します」と言ってくださったのがとてもとても嬉しかったです
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