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究極の俯瞰『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』外出しない日でも私たちは宇宙を高速移動しているのだ

読書

俯瞰して考える、とよく言いますが究極の俯瞰は、宇宙の視点から自分を眺めることではないでしょうか。

こちらの本は文庫よりもすこし幅のある本のサイズで、手に収まりやすく読みやすかったです。内容も装丁もとてもすてきな1冊です。

読む前と後では月の見え方も太陽の見え方も、自分の存在についての考えも変わりました!

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夜、寝る前に読みたい宇宙の話

  • 語りかけるように宇宙の話が綴られる
  • わかりやすい言葉、たとえで教えてくれる
  • 壮大な宇宙の旅へつれていってくれる

本書は科学の軸足を置きつつ、できるだけやさしく「宇宙からの視点」を綴ることを目的にしました。

宇宙との関係が少しでも近くなることを願って、これまでの宇宙の話題にあまりご縁の無かった方に手に取っていただけるよう、込み入った内容や知識はなるべく省き、たとえを使ったあり、くり返したり、表現を変えたり、数字を丸めたりして夜、寝る前に程よく読めるようにしています

『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』p7 はじめに

著者の野田祥代さんはこんな人

名古屋大学・大学院でで宇宙物理学を専攻し、修了。国立天文台天文データセンター勤務後、2018年より「あいプラネット」代表。文系・理系の垣根をゆるやかにつなぐ「体験型リベラルアーツ講座」など立場をこえて身近な宇宙を知ってもらうプロジェクトを手掛ける。

子どもから年配の方まで幅広く宇宙の話をする活動をされています

※リベラルアーツとは、多様な分野について横断的に学ぶという意味です

人間ってほんとうにちっぽけな存在(再確認)

ところが、私たちの銀河系も宇宙のすべてではありません。

それどころか、銀河系は宇宙の中では針の先でついたほどの点でしかなく、銀河系の外にも数えきれない銀河が延々と浮かぶ、さらに広くて深い宇宙がどこまでも続きます。

夜、寝る前に読みたい宇宙の話 p30

地球のある太陽系は、太陽と第8惑星である海王星の距離約45億キロメートルの何千倍も外までつづいていると考えられていて、さらにこの太陽系は銀河系の一部であり銀河系には太陽と同じく自分自身で輝いている恒星が1000~2000億個も集まっているんだそうです。

太陽系、その太陽系を含んでいる銀河系の時点で、もう想像ができないほどの広大さであるけれど、それすら宇宙では針の先の点…気が遠くなりますね。

数字が大きすぎてピンときませんが、著者の野田さんは地球儀や、プール、教室など想像しやすいもので大きさや距離を例えてくれています

宇宙船地球号

地球は、「宇宙船地球号」といわれることがあります。

外との行き来ができない船の上では、乗組員たちは水や食料などの資源を上手にやりくりしながら海を渡ります。

私たちはかぎられた資源をもつ地球にのって宇宙空間を旅していますから、まさに同じ状態と言えるでしょう

夜、寝る前に読みたい宇宙の話 p64

国同士で戦争をしたり、同じ国の中でも争いがあったりしますが、地球に生存しているすべての生き物は同じ地球という宇宙船に乗っている運命共同体なんだなと改めて思いました。

著者の野田さんはその点もお話されていて、子どもたちにも伝えたいなと思ったところでした。

グローバルな視点、とよく言われますが宇宙の視点、地球人として考えることも大切だと思いました。

家から一歩も出ない日だって、私は高速移動している

地球と女の子

地球が毎日くるくるとまわる自転スピードは、その新幹線のさらに6倍近い速さです。

夜、寝る前に読みたい宇宙の話 p66

地球が太陽のまわりをまわる公転スピードは時速10万㎞。先ほどの自転のさらに60倍もの速さです。

夜、寝る前に読みたい宇宙の話 p66

地球は自転しながら公転をしています。新幹線の6倍もの速さでクルクルとバレリーナのように回転しながら、さらにその60倍の速さで太陽を高速回転している…。

今日は家から一歩も出られなかったな…

なんて落ち込む日も、私たちは超高速で宇宙を移動しているのです!

そう思うとなんか救われることもありませんか…?(笑)

地球は特別な星

本書の中で”ハビタブルゾーン”という単語が登場します。

ハビタブルゾーン…宇宙で生き物が暮らせそうな場所のこと

太陽系の中で、地球だけがハビタブルゾーンなのです。

太陽系の中の水星は、太陽が当たる側と温度が400℃で地球の様な空気がなく、金星には硫酸の雨が降っており、火星は平均気温が-60℃なんだそうです。

そして、月があることが地球にとってとても大きな意味があることもこの本で初めて知りました。月のお陰で地球は程よいリズムで安定した姿勢で自転が出来ているそうです。この本の中には月が誕生した説にも触れています!

月がなぜ生まれたのか、なんて人生で考えることがなかったので

とても面白かったです!

月を見上げるたびに月の誕生に思いを馳せるようになりました。

私の死生観に影響を与えた一文

地球が100回ほどまわるうちに、あなたも私も生物としての死を迎えます。その時が来ると、体を小さく分解されて地球へ還っていきます。

「自分」だった微粒子たちは、おそららくは地上付近を別の形であっちへ行ったりこっちへ行ったりするのでしょう。

反対に、たった今の自分の体の一部は、もしかしたら1億年前は恐竜の一部だったかもしれません。

夜、寝る前に読みたい宇宙の話 p172

小さな頃、祖母の古い家へ泊まりに行くと、仏壇のある広い和室で寝ていました。400年前からある大きなりっぱな仏壇で、横壁の上の方には先祖の写真が並んでいました。

小学生にあがるか、あがらないかの頃、仏壇を見て死が恐いということを認識したのを覚えています。人は死んだらどこに行くのか?というようなことを親に聞いたのを覚えています。

今ここで思考している自分はいったいどこに消えてしまうのか、という問いは今でも答えがでていませんでした。

今回、この本を読んだとき1つの答えをもらったような気がします。(物質的な意味では)

人体が地球と相互作用しながら生きてる、という視点がとても新しかったです。

思いもよらないところから、答えがみつかるというのが読書の楽しみでもありますね!

1977年から現在も宇宙を漂い続けるボイジャー1号2号

「ボイジャー1号・2号」は1977年に太陽系探査のために打ち上げられた2機の無人探査機です。2機とも二度と戻ることのない旅を今も続けています。

夜、寝る前に読みたい宇宙の話 p223

ボイジャー1号機は、トラブルがあって地球から240億キロ離れた地点で地球との交信が断たれていたけれど、NASAが2024年4月に復旧したそうです。設計寿命の10倍を超えて今も宇宙を漂うボイジャー。遠く離れた地球といまも交信を続けられているのもすごいですよね。

そんなボイジャーも、2030年頃には観測ができなくなるとされています。

ボイジャーの中には”ゴールデンレコード”がつまれていて、レコードには地球の風景や生物の写真、音、いろんな言語の挨拶が収録されているのだそうです。当時の米大統領の手紙も入っているのですが、それがとても素敵な文章でした。(本に載っています)

【ボイジャーの設計寿命は?あと何年通信が続けられる?】プルトニウム電源の限界が迫る(スペースチャンネル) – エキスパート – Yahoo!ニュース

↓NASAのHPで、ボイジャーたちの位置を知ることができます。

Where Are Voyager 1 and 2 Now? – NASA Science

刻々と地球との距離が変わっていくのをみていたら、

ボイジャーが生きているような気がしてきて

なんか泣けました…。

宇宙の見え方が変わってくる

私は根っからの文系人間で、理科の天体の授業が苦手でした。それでも、宇宙の神秘的な話は興味があって、星や月を見るのが好きでした。(母も宇宙の話が好きだったようで、関連本を読んでいたのを覚えています。)

今回、この本を読んでみたら自分が踏みしめていると思っていた地面が崩れ去る様な不安感もありながら、宇宙の壮大な物語に飛び込んだような浮遊感を味わいました。

今こうして記事を打つ間にも

あなたが文字を追う間にも

この瞬間に途方もなく広い宇宙を高速で回転しているなんてとても不思議ではありませんか?

人間なんてちっぽけな存在というのが、本を読む前と後では認識が変わりました。

そして、チ。ー地球の運動についてーが話題となりましたが、天動説が信じられた時代に地動説を唱えた人がいて、今も宇宙について探究している多くの研究者のお陰で今私がこの宇宙の不思議さを知ることができていると思うととても感動します。(本の中でもそういう文がありました。)

これは寝室に付けている月のライトです

知識として、宇宙の中の、銀河系の中の、太陽系の中の地球に住んでいることは明白な事実としてわかってはいたけれど、

宇宙の温度、他の惑星の気象、月が生まれた経緯、約50年前に地球を旅立ったボイジャー

この本を読む前と後では私の世界(地球)を見る眼差しは変わったと思います。

とてもおすすめな本です、ぜひお手にとってみてください♬

もし、お時間があったらBUMP OF CHIKEN「voyager」という曲を聞いてみてください。私はこの曲を大学生の時好きで聞いていたのですが、今回この本を読んでボイジャーのことだったのか!と気づきました。20年経っての邂逅となりました。(邂逅って単語を初めて使用しました(笑))

寝る前に子どもたちにこの本で知ったことを話すのが最近の楽しみです!

悩みすぎるあなたにおすすめの記事あります!何かヒントが見つかるかもしれません

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